2009年11月16日

オクラの花

Okurahanahos

 先週、松戸市の21世紀の森公園に行った時に撮ったものです。
里山の風景を演出する畑があっていろんな作物が植えられていますが、もう秋も終わりの季節になり、ほとんど刈りとられていました。その中で、少しですがオクラの花がきれいな花を頑張って咲かせていました。

 黒みがかった赤紫色の柱頭とその周りを取り囲む雄しべの先の花粉の黄色のコントラストが、とてもきれいでした。

 種をとるために成熟させていると思われる実もたくさんついていました。普段食べているオクラからは想像できない巨大なオクラでした。

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2009年4月 7日

ハランの花・実 その2

 ハランの花と実の続きです。花と実を半分に切って、中をみてみました。

 花は縦に切ってみました。

Photo_2

 雌しべの大きな柱頭の下の空間に、雄しべが花披から突き出ていました。全部で8本ありました。太い花柱の下部、破線で囲ったところに子房があり、胚珠が見えました。花披の下に薄い苞がついていました。全部で5枚ありました。

 ところで、ハランは地下茎で増えるので、近くの花は同じ株の花である可能性が大だと思います。花粉を運んでくれるのが、地面にいるアリやダンゴムシやナメクジなどであるとしたら、花から花へ、更に別の株の花へと花粉を運んでくれることはあまり期待できそうもない気がするのですが・・・・。でも、自家受粉でいいのであれば、こんなめんどくさい(?)構造になる必要はないように思えるし・・・・、不思議な花です。

 地面すれすれに咲いていて、大雨になったらどうするのでしょうか。ハランの葉の陰で大丈夫? 雨水が地表を流れてきたら、”地下室”が水浸しになってしまいそうです。花披がとじたりするのでしょうか。

 実の方は、横に切ってみました。

Photo_3

 大小5個の種子と未発達のものが3個確認できました。胚珠は8個なのでしょうか。

 花も実も一つずつしか観察していないので、またもっとよく見てみようと思っています。

 

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2009年4月 4日

ハランに花が、実が!

 ハランは、普段から見慣れているものなのに、恥ずかしいことに、花が咲くとは、全然思もよりませんでした。知人からハランの花の話を聞いて、ハランがあるところに行った時に、試しに株元を覗いてみました。

そうしたら・・・、覗いたとたんに、地面の上に、ころんと緑の丸い玉が見えました。え、これ実!

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 実があるということは、花が咲いたことがあるということで、どうして、今まで気が付かなかったのかなあ・・・、もう花は終わってしまったのかなあと思いながら、さらに葉を持ち上げながらあたりを覗くと、今度は、紫色のものがありました。

 あった! へー、これがハランの花! ちょっと雰囲気がカンアオイの花に似ています。ひとつ目に入ると、ここにも、そこにもと見つかりました。結局、だいたい30×80cmの株に7個ほど咲いていました。枯葉をかき分けてもっとよく探したら、もっとあったかもしれません。

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 それにしても、今までだって、草取りをしたり枯れた古い葉を取り除いたりして、けっっこう株元を見ていたはずなのに・・・・。  意識して見ないと、目に入らないものなのですね。

 花は、花披の先が8裂になっています。でもそこから先、どういう構造になっているのか、見ただけではよくわかりません。ネットで検索してみましたら、すごく詳しく観察していらっしゃる方がいらっしゃいました。http://homepage2.nifty.com/hih/haran.htm どんと花の真ん中に拡がっているのは花柱で、その下に空間があって、雄しべはそこに隠れているということです。花柱も4数性のようで、ユリ科って3数性だけではないのですね。

 花と実をひとつづつもらって来ました。知人に見せた後、切って中を見てみようと思います。

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2008年10月 3日

ニオイオタデ

市川市の大町公園にある自然観察園に行きました。

谷津の奥の部分が保全され、湿地性の植物をはじめ、いろいろな野草をみることができます。秋に訪れるのは初めてでしたので、どんな花や生き物にであえるか、ワクワクしながらでかけました。期待に違わずいろいろ見ることができました。

そのうちのひとつがお初にお目にかかったニオイタデです。

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木道を歩いていて、とても毛深いタデの仲間が目につきました。なんだろうと思って図鑑で調べてみたら、ニオイタデでした。よくみると茎や葉に長い白っぽい毛の他に、短い黄色い腺毛が生えています。茎を触った指先を鼻に近づけると、爽やかな香りがしました。

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こういう香りは、”虫除け”のためなのでしょうか?もしそうだとしても、けっこう虫に食べられている葉がありましたので、効果は程は・・・・。

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2008年7月22日

クロモの雄花

 クロモの雄花を初めて見ました。

 クロモの節にツブツブしたものがついていました。つぼみかなと思っていたら、次に見たときは、葉の間に小さな5mm程の青い花のようなものがついていました。よく観ようとしたら、取れてしまいました。ルーペで見てみると面白い形をしています。

 はて、似たものをどこかで見たような・・・・・。ウーン、ヒョットして~・・・?!

 調べてみたら、青い花のようなものは、クロモも雄花でした。花びらのように見えた青い部分は葯とのことでした。では、スカートのように反り返っているのが花弁かと思ったら、それは萼片でした。花弁は、萼片と萼片の間にある細いもので、よくみないとわからないくらい地味でした。Photo_3 

 つぼみのように見えたツブツブはつぼみそのものではなくて、つぼみが入った苞でした。雄花は成熟すると、苞から飛び出して、反り返った萼片や花弁の間に空気をためて水面に浮くのだそうです。

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 そして”似たもの”とは、テレビ番組で見た、西表島の夏の大潮の日に海面に浮いてすべるように走るというウミショウブの雄花でした。

 花の形が似ているだけでなく、水面を移動して長い茎を伸ばして水面で待ちかまえている雌花に送粉するという仕組みも同じでした。クロモもウミショウブも同じトチカガミ科ということです。似ていてもおかしくないですね。ウミショウブのように華々しくはないようですが、西表島までいかなくても、おもしろい受粉の仕組みを持っている植物が身近に観察できるところにあったとは、うれしいです。

 次は、ぜびクロモの雌花を見てみたいです。

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2008年6月20日

こんなところにウキヤガラ

近くの道路予定地の草っぱらで、おもしろいものにであいました。

カヤツリグサの仲間のウキヤガラです。イヌムギの仲間やスズメノチャヒキ、アシ、チガヤなどイネ科の植物やヘラオオバコなどに混じって生えていました。

02tsl (ウキヤガラ)

はえている場所は、普段は、乾いていて湿地という様子ではありません。ウキヤガラは水辺に生えているイメージがあるので、こんなところにと意外でした。が、もともと埋立地で水はけは悪い場所でしたので、雨が降ると水がたまったりしているのかもしれません。

付近をみてみると、ちょっと離れたところに、コウキヤガラとガマの仲間が生えている場所もありました。

01tsl(コウキヤガラとガマの仲間)

こちらも水が溜まっていたりじくじくしたりはしていませんでしたが、ヒメクグやクサイもはえていたので、やはり湿っぽい場所のようです。

06tsl (コウキヤガラ)

コウキヤガラは、花序の茎が短いので、窮屈そうにかたまってついてるので、ウキヤガラとは、見た目の印象がかなり違いますね。また、柱頭の数が、ウキヤガラは3本、コウキヤガラは2本と違っているということなので、ルーペで確かめて見たらそのとおりでした。

ガマの仲間は、生息条件がよくないためか、育ちがわるく穂もでていないので、何かわかりませんでした。

ここは、年に1、2回ほど草刈りが行われているので、これからどのように変わっていくのか、ときどきウォッチングしたいと思います。

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2007年6月23日

ミソハギの花-3タイプ

ミソハギの花が咲いていました。ミソハギの花が咲き始めると、夏も近いなあと感じます。

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ミソハギの花はよくみると、3つのタイプがあるのですが、なかなか1箇所で、3タイプそろってみることができるところはあまりないのではないでしょうか。ところが、ばっちり3つのタイプを見比べることができる場所をみつけちゃいました。

ミソバギの雄しべは12本あり、6本ずつ長短2つのグループに分かれています。一方、雌しべの長さは、花によって、長、中、短の3つのタイプがあり、長短2つの雄しべとの組み合わせで、それぞれの長さの順番が、

① 長い雄しべ- 短い雄しべ - 雌しべ1_3

② 長い雄しべ- 雌しべ  - 短い雄しべ2_3

③ 雌しべ   - 長い雄しべ - 短い雄しべ3_2

株毎にどのタイプの花をつけるか決まっています。

雄しべの位置によって花にやってきた虫の身体に花粉の付く場所が異なり、違うタイプの花の花粉がつきやすくなるということで自家受粉をふせいでいるようです。

手が込んでいますね。

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2007年4月23日

カスマグサ

☆「カ」と「ス」の「間」でカスマグサ

カスマグサはマメ科で、カラスノエンドウやスズメノエンドウの仲間です。カラスノエンドウやスズメノエンドウは、街中の道端や公園でもごく普通に見かけますが、カスマグサにお目にかかることはありませんでした。それが昨年できた公園で花を咲かせていました。

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長い花柄の先に淡赤紫色に青紫の筋が入った花を1、2個付けていました。花や葉、果実の大きさなどが、「カラスノエンドウ」と「スズメノエンドウ」の「中間」ということから「カ」と「ス」の「間(マ)」=「カスマ」グサと名付けられたということですが、ほんとに名前のとおり、花や果実の大きさだけでなく、花色の濃さもカラスノエンドウとスズメノエンドウの間です。それぞれの違いを表にまとめてみると、

   スズメノエンドウ   カスマグサ  カラスノエンドウ
 花の色  白紫色  淡青紫~淡紅紫色  紅紫色
 花の長さ  3~5mm  5~6mm  15mm前後
 花柄の長さ  長い  長い  極短い
 1つの葉腋につく
 花の数
 花柄の先に普通4個  花柄の先に普通2個  1~2(3)個
 豆果の長さ  0.8cm前後  1.5cm前後  4cm前後
 種子の数  ふつう2個  4個が多い  5~10個
 小葉の長さ  1~1.7cm  1.5cm前後  2~3cm

なるほど、「カ」と「ス」の「間」だなあと納得です。

(↓左からスズメノエンドウ、カスマグサ、カラスノエンドウ) Photo_23 Photo_24

Photo_26 カスマグサ花(正面)

このカスマグサは、植栽されたミソハギの株の間に出てきていました。たぶん苗圃に生えていたものが株と一緒に持ち込まれたのだと思います。昨年できたこの公園では、他にも新しく植えられた樹や草と一緒に苗圃からやってきたのではないか思われる野草が時々姿を見せてくれます。これからも、なにが現れるか、しばらく楽しめそうです。

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2007年4月 7日

タガラシの蜜皿

タガラシの花が咲いていました。緑色のイチゴのようなメシベ群と黄色の花弁と雄しべの取り合わせがきれいです。葯は弾けて花粉をたくさんだしていましたが、雌しべはまだ、未熟な状態のようでした。

Photo_18

花弁をみると光っているというか、色合いが違う部分がありました。

Photo_19

ルーペで見ると、花弁の表皮がつぶれたマメのような状態になっていて、ちょうどスープ皿のような感じで液体状のものが入っていました。きっと蜜皿じゃないかな・・・と思います。 もし、蜜が入っているなら、いくら毒のある草でも、蜜は蜜だとは思うのですが・・・、なめて確かめてみる気には、ちょっとなれませんでした。

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2007年4月 3日

謙虚な(?)な雄しべ

○ハナヤエムグラ(アカネ科)の雄しべ

路傍の植枡にピンク色の小さな花が咲いていました。ハナヤエムグラの花でした。まだ4月だからでしょうか、草丈は5~10cm程でした。花冠の直径は3~4mm程で、4裂しています。

Hanayaemugura01

撮った写真をパソコンで見て、”あれ?”なんか変だと思ってよくみたら、雄しべが、先端の部分を花被片の間につっこんでいました。一生懸命頭を隠しているみたいです。他の花をみると、ちゃんと前方に伸ばしているものもあります。

Hanayaemugura02

頭を隠している雄しべは、役目を終えた後、まるで雌しべの邪魔にならないようにそっと身を引いたように見えるのですが・・・、実際のところは、どうなのでしょうか。

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